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D2C(ネット通販)で「広告」が重要な理由とは
D2C(ネット通販)では、一般的なビジネスや総合通販事業と比較して、広告の重要性が高い事業です。
D2C(ネット通販)は、ネットや電話注文するシステムが採用されており、実店舗を持ちません。そのためD2C(ネット通販)では販促・集客方法の大半が広告です。D2C(ネット通販)において広告は、営業マンや店舗にあたる重要な役割を持っているといえます。
他のビジネスで間接費となる広告費も、D2C(ネット通販)においては、人件費や店舗費用のような直接費に該当します。一般的には売上の5~10%といわれる広告費ですが、D2C(ネット通販)では50%という高い割合を占めるケースもあるほどです。コストの割合が大きいため、費用対効果を上げる広告を選び、展開していくノウハウが必要となります。
D2C(ネット通販)の広告を打つ前に確認しておきたい3つのポイント
他のビジネスに比べ、D2C(ネット通販)は潜在顧客・見込み客にアプローチする方法が少なく、広告が新規顧客獲得の希少な機会ともなります。このようなD2C(ネット通販)の広告を打つ際には、慎重に準備を進めることが重要です。
まずは、広告を打つ前に、確認しておきたい3つの基本ポイントをチェックしてみましょう。
D2C(ネット通販)の特徴
D2C(ネット通販)で広告を打つ前に「D2C(ネット通販)の特徴」を確実に理解しておくことは欠かせないポイントです。通販業には主に、総合通販とD2C(ネット通販)の2種類があります。それぞれの違いを見てみましょう。
総合通販 | D2C(ネット通販) | |
---|---|---|
扱う商品 | 幅広いジャンルで複数種類の商品 | 1点~少数の商品 |
特徴 |
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D2C(ネット通販)は、特定の商品を集中的に販促・宣伝できるため、コストを効果的に使えるという特徴も持っています。また、D2C(ネット通販)で扱われる商品・ブランドは大半が自社のオリジナル商品であることから競合もおらず、リピーターが確保できれば大きな売上が期待できます。特に健康食品・化粧品がD2C(ネット通販)事業に向いています。
ターゲット層のニーズ
D2C(ネット通販)は扱う商品数が少ないため、ターゲット層を絞り込みやすい事業です。広告はターゲット層に合わせた方法・演出が採用されるため、「ターゲット層のニーズ」は必ず明確化しておかなければなりません。
ニーズと離れた商品・広告では新規顧客がたとえ増えても顧客満足度が低くなり、リピートが期待できません。D2C(ネット通販)は扱う商品が少ないため、ターゲット層もそれだけ狭い範囲となってしまいます。そのため、ターゲット層のニーズに的確に答えた商品・広告を展開し、リピーターを確保することが最大のポイントです。
自社のオリジナル商品の強み
D2C(ネット通販)ではリピーターの獲得のために、購入商品と他社商品との差異化を図る必要もあります。そのためには、「自社のオリジナル商品の強み」を明らかにしなければなりません。さらに、ターゲットユーザーに他社とは違う強みを明確に伝え、納得した上で購入してもらうことが重要です。
購入者に自社のオリジナル商品の強みが伝わっていないと、初回は購入してもらえても他社に乗り換えられてしまう恐れがあります。コンバージョン率向上のために、自社商品の強みをターゲット層のニーズとマッチさせることも欠かせません。
D2C(ネット通販)で使われる広告の種類と効果とは?
D2C(ネット通販)で使われる各広告・媒体には違った特徴があり、得られるマーケティング効果も異なります。そのため、得られる効果を理解し、自社のマーケティング戦略の方向性に合った広告を選ぶことが大切です。
広告の種類は、大きく分けてネット広告とオフライン広告の2つがあります。ここでは、広告選びの判断材料として各広告の種類と特徴、得られる効果をチェックしておきましょう。
ネット広告
ネット広告は、D2C(ネット通販)事業では多くの企業が利用している種類の広告です。ネット広告の代表的なものとして、以下のような種類があります。
- 運用広告
運用広告は、ポータルサイトで検索したユーザーに対して表示される広告です。自社商品に関連した内容を検索したユーザーにのみ広告を届ける機能を持ち、クリックされると広告費が発生します。多くの通販サイトが使っており、少額から利用しやすい方法です。 - アフィリエイト広告
アフィリエイトサイトで商品を紹介してもらい、サイト内のリンクをクリックさせることで自社サイトに誘導する広告です。商品購入のタイミングで広告費が発生します。運用広告同様によく導入されています。 - ディスプレイ広告
ポータルサイトにテキストやバナー広告を表示する方法です。検索ワードの制限を受けず、一度に多くの人に広告を見せることができます。ただし、広告を見て初めて興味を持つ見込み客もいるため、クリックさせるための魅力的な演出が必要です。 - ネイティブ広告
一般の記事やニュースサイトなどの記事内、SNSのポスト間などに自然に差し込まれる広告です。広告と分かりにくく、広告に抵抗を持つユーザーにもクリックされやすいことから、近年注目されています。
関連記事:コンバージョン率2.87倍改善のネイティブ広告の手法とは…?
- 純広告
広告枠を買い取って掲載する広告を純広告といいます。成功報酬ではなく、掲載期間や配信件数などで費用が発生するタイプの広告です。予算が組みやすく、サイトによっては多くの閲覧も見込めますが、効果に繋がらない場合は費用のみがかさむこととなります。
オフライン広告
オフライン広告には、紙媒体広告や電波広告が該当します。ネット通販やネット広告が一般的となった近年でも、ネットとは異なる層の顧客獲得に有効です。シニア層など、ネットで取りこぼしたターゲットユーザーの獲得に導入されます。
- 新聞掲載広告
新聞の紙面に掲載する広告です。記事の下に掲載する「5段広告」や全面に掲載する「15段広告」があります。新聞購読の多い高めの年齢層をターゲットにしやすい広告です。地方紙から全国紙など、エリアや部数によってコストも効果も大きく異なります。 - 雑誌・フリーペーパー
有料で発行・販売する雑誌や無料配布のフリーペーパーに広告を掲載します。読者層が年齢や性別、興味のあるジャンルなどによって分かれており、商品のターゲット層に合わせた媒体を選んで広告を打つことが可能です。媒体ごとに広告掲載のサイズが異なるため、複数の誌面に載せる場合には広告作成の手間がかかります。 - 新聞折込広告
新聞紙面ではなく、折込チラシを使った方法です。広告の効果を比較するためのA/Bテストの結果が詳細に出やすく、リーズナブルで予算が限られた企業でも始められます。初めてのオフライン広告としても使いやすい手法です。 - 同封同梱広告
登録者のみに発送する会員誌や、カタログに同封するスタイルの広告です。チラシやDMを直接ターゲットに送ることができます。ただし、高レスポンスが期待できるカタログへの同封同梱の単価が高く、結果が出るまでに時間がかかる場合があります。 - 電波広告
電波広告にはテレビ広告・ラジオ広告があります。テレビ広告で多いのは、60秒以上の番組として放映する「インフォマーシャル」です。規模の大きな広告で、反響・閲覧者数は大きいものの媒体費も高額です。さらにレスポンス対応のためのコールセンター設置なども必要となります。一方でテレビ広告よりも少し安価になるラジオ広告は、言葉だけで情報を伝えやすい商品であれば効果的です。
何を使うべき? D2C(ネット通販)における広告の正しい選び方
D2C(ネット通販)の広告展開は、企業の年商規模に合わせて適した方法を選ぶことが必要です。売上が停滞した時には、広告戦略を見直してみましょう。別角度からアプローチしたり、広範囲に散らばったターゲットユーザーに向けた広告を打ち出したりと、年商ベースで段階ごとに広告の出稿媒体を変える施策、CRM領域を意識した施策が必要となります。
- 年商10億円未満
年商10億円未満の規模では、CPAを重視してネット広告や紙媒体の広告が向いています。比較的コストを抑えた方法を選び、適した広告を試行錯誤しながら絞る段階です。 - 年商10〜50億円
ネット広告中心では、新規顧客の獲得に限界が出てきて、売上が頭打ちとなる時期です。1つの媒体の疲弊によってCPAが悪化する前に、オフライン広告も視野に入れて新しいメディアと併用を検討しましょう。 - 年商50〜100億円
年商が上がれば事業拡大のために、より幅広い認知を求められるテレビ広告も検討が必要です。インターネットや紙・電波と、さまざまな媒体を活用したクロスメディア展開も視野に入れる時期といえます。
広告の種類は、一般的に事業規模が大きくなるごとに、ネット広告→紙媒体→電波広告の順で必要となる傾向にあります。規模に適した広告展開を行うことで、より高い段階を目指すことができます。
まとめ
D2C(ネット通販)では、広告が主な営業の戦力であり、売上の要的な存在です。D2C(ネット通販)を成功させるためには、D2C(ネット通販)における広告の重要性や目的の十分な理解が重要となります。また、ネット広告・オフライン広告それぞれの特徴やメリット・デメリットに加え、ターゲット層や年商規模によって、適切な広告を選ばなければなりません。
広告は、D2C(ネット通販)の売上に大きく影響を及ぼすため、D2C(ネット通販)成功に向けて、最小のコストで最大の効果を生む適切な広告を打ち出していきましょう。