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サブスクリプションと定額制の違い
サブスクリプションは、ユーザーが定額料金を支払うことで、サービスや商品を利用できるビジネスモデルです。定額制も、ユーザーが毎月決まった料金を支払うことで、サービスや商品を受け取ることができます。
そのため、サブスクリプションと定額制は、同じ意味で使用されることが多くなっています。
顧客満足度を意識したサービス
サブスクリプションと定額制は同じ意味で使用されることが多いものの「顧客満足度を意識したサービスの差」が大きな違いと言えます。
定額制と比べてサブスクリプションは、ユーザーのニーズに合わせて料金プランやオプションなどを用意し、ユーザーのことを第一に考えたビジネスモデルとなっています。
サブスクリプション型の代表的なサービスには、以下が挙げられます。
どのサブスクリプションサービスも、ユーザーが月額料金を支払うことで利用できます。
- 「Netflix」「Hulu」などの動画配信サービス
サイト内の映画やアニメなどを好きなだけ見ることができます。 - 「Spotify」「Apple music」などの音楽配信サービス
サイト内の音楽を好きなだけ聴くことが可能です。 - 「Kindle Unlimited」「dマガジン」などの書籍読み放題サービス
サイト内の雑誌やマンガなどを好きなだけ読めます。 - 「MECHAKARI」「ラクサス」などの洋服レンタルサービス
気になる洋服をレンタルすることができます。 - 「CLAS」「subsclife」などの家具レンタルサービス
家具をレンタルすることができます。また、レンタルした家具をそのまま購入することも可能です。
上記5つのサービスは、1つのジャンルに絞ったサブスクリプション型のサービスです。一方で「Amazonプライム」は、動画・音楽・書籍などあらゆるサービスを提供していることから、最先端のサブスクリプション型のビジネスモデルであると言えます。
所有から利用へ
近年、サブスクリプションが注目されるようになった理由は、消費者ニーズに変化が起きているためです。これまで消費者のニーズはモノの「所有」にありましたが、現在は「商品やサービスの利用」を求めています。
そのため、商品・サービスの利用を目的としたサブスクリプション型のビジネスが注目されています。これまではWeb上のサービスがサブスクリプション化されるケースがほとんどでしたが、最近はオフラインのサービスもサブスクリプション化が進んでいます。
今後もサブスクリプションを導入したサービスは増えていくでしょう。
サブスクリプションから考えられるリスク
サブスクリプションはユーザー側・企業側ともにメリットがあるビジネスモデルですが、リスクもあります。
◯ユーザー側のリスク
基本的にサブスクリプション型のサービスは、自動的に契約が更新されます。それほど利用していない月でも定額料金が発生するため、余計な費用を支払うことになる場合もあります。
◯企業側のリスク
ユーザーがサブスクリプション型のサービスを継続的に利用しなければ、ビジネスとして成り立たない恐れがあります。売り切り型とは異なり、サブスクリプションは継続的に利用してもらわなければ、利益を上げることはできません。
サブスクリプションは利便性や収益性が期待できるものの、リスクがあることに注意しましょう。
サブスクリプションのメリット・デメリット
サブスクリプションを利用・導入する場合、メリットだけでなくデメリットも把握しなければ、損をする恐れがあります。「お得になると思ったら定額料金が大きな負担となった」「せっかく参入したのに利益が上がらず撤退することになった」とならないよう、サブスクリプションの特徴を理解しましょう。
ここからは、ユーザー側・企業側がサブスクリプションで得られるメリット・デメリットを解説します。
ユーザー側
ユーザー側のメリット・デメリットは、以下が挙げられます。
メリット
- 商品やサービスの購入費用を抑えられる
- モノを所有する必要がなく、新しい商品やサービスを気軽に利用できる
- サブスクリプションを利用しなくなったら、いつでも解約できる
買い切り型の商品やサービスと異なり、サブスクリプションでは「買って損をした・失敗した」となる心配がないため、さまざまな商品・サービスを気軽に利用できます。また、サブスクリプションの契約期間中は何度も利用できることから、購入費用を抑えることも可能です。
デメリット
- サブスクリプションを積極的に使用しないと損する
- 利用しないサービスや機能も定額料金に含まれている
サブスクリプションは毎月定額料金を支払うため、商品やサービスを使用しなければ割高になります。また、使わないサービスや機能も定額料金に含まれることを考えると、サブスクリプションではなく、商品・サービスを購入するほうが金銭的にお得になるケースもあります。
企業側
企業側のメリット・デメリットは、下記のとおりです。
メリット
- 継続的かつ安定的な売上が見込める
- 利用されたサービスのデータを今後の改善に活用できる
- 新規顧客を獲得しやすい
サブスクリプションはユーザーが解約しない限り、売上を得ることができます。ユーザーの利用状況からサービスのデータを集計・分析することができ、データをもとに改善策を立案することが可能です。また、サブスクリプションによりユーザーが商品・サービスを利用する心理的なハードルが低くなるため、新規顧客の獲得にもつながりやすくなります。
デメリット
- 常に最新のコンテンツを提供しなければならない
- ユーザーがすぐに解約することがある
- カスタマーサポートの対応に追われる
サブスクリプション型のサービスの質が低ければ、ユーザーが継続して利用しなくなる恐れがあります。顧客満足度を上げるためには、常に最新鋭のコンテンツを追求しなければなりません。また、商品・サービスに不備があった場合などは、カスタマーサポートの対応が急務となります。
サブスクリプションの未来
消費者ニーズが「所有」から「利用」へ変化していることに伴い、オフラインの商品やサービスもサブスクリプション化が進んでいます。
サブスクリプション化しているサービスの事例
- 化粧品・スキンケア
- 家具・家電
- ファッション
- 美容室
- ソフトウェア
- ゲーム
- 洗濯・クリーニング
- オフィス
- 飲食店
- 自動車
- ライブ
サブスクリプション型のサービスを利用するユーザーはいつでも解約できるため、企業は顧客満足度を上げるための努力を続けなければなりません。ユーザーと企業が長期にわたる関係を築くためには、サービスの利便性だけでなく、サービスの利用による付加価値にも着目する必要があります。
現在、多種多様な業界でサブスクリプション型のサービスが登場していますが、これからも顧客満足を第一に考えたサブスクリプション化の波は広がっていくでしょう。
まとめ
サブスクリプションと定額制は、言い方が異なるだけで、言葉の意味は一緒です。どちらも定額料金を支払うことで、さまざまなサービスが使い放題となります。ユーザーは商品・サービスを所有することなく、自由に使える点がサブスクリプションのメリットです。毎月安定した利益を継続的に得られる点が、企業がサブスクリプションに参入するメリットと言えるでしょう。
しかし、サブスクリプションにはデメリットがあることも見逃してはなりません。「サブスクリプション型のサービスを利用しようか迷っている」「サブスクリプションに参入すべきか検討している」という場合は、ぜひ当記事を参考にしてください。