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「通信販売」にある主な2つの種類とは?
通信販売には、「D2C(ネット通販)」と「総合通販」という2つの販売方法があります。
- 総合通販=多くのカテゴリーの商品をとりまとめて販売すること
- D2C(ネット通販)=商品のカテゴリーを1つに絞って販売を行うこと
D2C(ネット通販)
D2C(ネット通販)は、お客様が繰り返し購入する可能性が高い物品を販売するという特徴があります。
繰り返し購入するという意味を込めた「単品リピート通販(D2C)」や「リピート通販(D2C)」、定期的に購入してもらうことから「定期購入(サブスク)」などと呼ぶこともあります。
D2C(ネット通販)は、商品を1種類のみに絞って販売する場合以外にも、いくつか商品の種類がある中で、それらの商品を同じブランドとして販売する場合も含まれます。
例えば、化粧水や洗顔フォーム、美容液など、さまざまな商品ラインナップがあったとしましょう。これらの商品を全て同じブランドとして販売する際は、D2C(ネット通販)に該当します。
総合通販
一方の総合通販とは、さまざまなカテゴリーの商品を取り扱う通販を指します。
総合通販は消費者が「通販」と聞いてイメージしやすい形態の通販であり、利用者もD2C(ネット通販)より圧倒的に多いと言えます。
扱う商品の種類や数が多いため、広範囲で顧客獲得がしやすいメリットがあり、大きな総合通販であれば、自社で物流組織を持っており利便性が高い企業も存在します。
しかし総合通販は価格競争に陥りやすいデメリットがあり、必ずしも良い側面ばかりではありません。
D2C(ネット通販)と総合通販の違い
では、D2C(ネット通販)と総合通販は具体的に何が異なるのでしょうか。ここからは、D2C(ネット通販)事業を始める前に知っておきたいD2C(ネット通販)と総合通販の違いについて、以下5つの項目別に詳しくご紹介します。
- 初期投資額
- 商品ジャンル・商品
- 商品の仕入れ方法
- 集客方法
- 顧客
初期投資額
D2C(ネット通販)は総合通販と比べて、初期投資額を低く抑えることが可能です。その理由は、商品数に大きな差があることが関係します。総合通販では、仕入れ費用や商品の在庫・状態を管理するための費用が、取り扱う商品の数だけ発生します。またそれぞれの作業を個人で行うことはないため、人件費も必須です。
一方で、D2C(ネット通販)は扱う商品が少ないことから、仕入れ費用や管理費用を抑えられます。さらに、少人数でも運営を進めていくことができるため、運営コストが低くなります。
どのような事業であれ、最初にかかる金額「初期費用」については、心配や不安がついて回ります。お金を潤沢に用意できれば問題ありませんが、それでも、できるだけ運営コストを抑えたいと考えるのは当然でしょう。その点、D2C(ネット通販)は初期投資額が少なく、小規模で事業をスタートできることから、参入しやすいビジネスと言えます。
商品ジャンル・商品数
D2C(ネット通販)は、「単品」という名のとおり、特定の商品のみを販売するスタイルです。扱うものは1種類のみというケースも珍しくありません。一方で、総合通販は多くのジャンルにわたる商品を販売するスタイルです。
商品数について双方の違いを簡単に挙げるとするならば、D2C(ネット通販)は「少ない」、総合通販は「多い」ということとなるでしょう。
D2C(ネット通販)の代表的な商品は、繰り返し購入してもらうことを目的とした健康食品や化粧品、サプリメントなどが挙げられます。いずれも消耗する、または使い続けることに意味があるものばかりなため、D2C(ネット通販)に適しています。
しかし総合通販の場合は、扱っている商品が多岐に渡ります。例えば家具や家電、本や洋服、さらに小物や雑貨など、幅広いジャンルのアイテムを扱います。商品数が多いことが強みである一方、価格競争に巻き込まれやすいというデメリットもあります。その点、特定の商品しか扱わないD2C(ネット通販)は、価格競争に巻き込まれにくいと言えます。
商品の仕入れ方法
D2C(ネット通販)の場合は、独自ブランドの製品を製造したり、特定のメーカーや卸業者から仕入れたりすることが一般的です。
総合通販の場合は、商品ごとに異なる店から仕入れることが基本です。つまり、扱う商品やジャンルが増えるほど、取引先が増えることとなります。このようなことから、総合通販は仕入れの対応が複雑になりがちです。
一方で、自社のオリジナル商品を売る、もしくは限られた仕入先と取引するD2C(ネット通販)は、その点の複雑さは比較的少ないと言えます。
集客方法
総合通販の場合は、膨大な商品を扱うことから、それだけ多くの集客を見込めます。たとえ1人がリピートにならなくても、新規顧客の獲得が比較的容易であることが特徴です。
一方で、D2C(ネット通販)は基本的にリピート率の向上により売上を伸ばしていく手法であるため、総合通販とは集客方法が異なります。
D2C(ネット通販)では集中して広告を打ち、知名度を高めた上で販売につなげることが一般的です。総合通販と比較するとどうしても露出が低くなりがちなため、いかにネットユーザーの目に留まるようアプローチするのか、マーケティング戦略を考えることが重要です。
例えば、取り扱っている商品を使う層をリサーチして、目に留まりやすい広告を打つ方法は多くのD2C(ネット通販)が行っています。新規顧客の場合、初回からの本申込は心理的ハードルが高いと考えられるため、「お試しモニター」として申込みを促す方法もあります。また、商品を購入してくれたお客様に対してのアフターフォローなども効果的です。
- 例えば…
- 商品を発送する際に、丁寧な商品説明やFAQなどを記した印刷物、取り扱いブランドのモニター商品などを同梱する
- 定期的にダイレクトメッセージやフォローのメールを送る
上記のようなアフターフォローをしっかり行うことで、お客様の印象は変化し、リピート率の向上が見込めます。
関連記事:フォローメールの効果的なタイミングとは?【適切に配信して引上率・クロスセル率アップ】
関連記事:同梱物とは?D2C(通販)に必須のツールを入れてLTVを引上げる
顧客
D2C(ネット通販)の場合、総合通販に比べて扱う商品数が少ない分、見込客も少なくなります。そのため、いかに繰り返し購入してくれるお客様を獲得できるかがポイントです。また、単品購入で扱う商品の知名度が低ければ、総合通販よりも新規顧客の獲得が難しいという特徴もあります。
総合通販は「他より安いから」「品ぞろえが豊富だから」などさまざまな理由でお店を好きになってもらえればリピートは期待できますが、D2C(ネット通販)は「この商品・ブランドが好きだから買いたい」など、商品やブランド自体を好きになってもらうことで、その後も商品を購入してもらうことが期待でき、安定的な収益アップが見込めます。
「もう一度購入したい」と思ってもらえるよう、ファンを生み、長く関係を続ける努力が不可欠です。購入者のデータを分析し、常に改善を図ることを怠らないようにしましょう。こうした顧客分析や市場の研究がノウハウにつながり、より良い商品開発や売上アップにつながります。
D2C(ネット通販)の始め方・開設方法について
こちらでは、実際にD2C(ネット通販)を始める方法について解説します。実際に取り扱う商品を決めただけでは、D2C(通販)は始められません。
D2C(ネット通販)をする上で必要不可欠なのが、「EC(D2C)サイト(電子商取引サイト)」です。わかりやすく言えばインターネット上のお店、つまりオンラインショップのことで、検索サイトやネット上の広告などからリンクされた商品ページのことを指しています。EC(D2C)サイトを作るには、大きくわけて2つの方法があります。
- 自身でEC(D2C)サイトを構築する
- D2C(ネット通販)に強いモール型の既存サイトに出店する
D2C(ネット通販)を成功させるには、ランディングページを筆頭に、さまざまな始めるポイントがあります。これからそれぞれの要素について、個別に説明します。
ランディングページを作る
D2C(ネット通販)において最も重要なのは、「ランディングページ」です。ランディングとは、広告リンクや検索窓から飛んできたネットユーザーが初めてアクセスするページのことであり、いわばお客様と商品との初対面の場と言えます。
ランディングページを制作する際は、以下の点に注意しておきましょう。
- 情報過多にならないようにすること
- ランディングページから直接商品が購入できるようにすること
せっかくお客様が商品ページにアクセスしてくれたにもかかわらず、説明文を長々と読まされることで、購買意欲を下げてしまう可能性があります。商品説明の文章は冗長にならないように気をつけましょう。
また、お客様が商品を購入しようと思っても、ランディングページからさらに別サイトを経由して申込みをしなければならない、ということがあれば面倒になり、ページから離れてしまう可能性があります。そのため、申込フォーム一体型のページにして購入手順を効率化することが必須です。
単純にランディングページを制作して、管理や更新もせずそのままにしておくことも良くありません。見込客の離脱率や実際の購入数などの分析を繰り返して、常に更新・改善を行うことが大切です。
なお、D2C(ネット通販)サイトの要となるランディングページは、商品の製造企画に次いで高いコストが予想されます。費用はかかりますが、プロに任せることで質の確保が期待できるという利点もあります。
例えば、商品に関する薬機法や、スマートフォン向けの見やすいページへの最適化など、自社では難しい部分も対応してくれます。D2C(ネット通販)の運営に特化した制作会社では、決済用のフォームがついたランディングページを手軽に作成できるサービスもあるため、このような機能を活用することも一つの手だと言えるでしょう。
なおよく広告などで、具体的な商品紹介への遷移先としてカートサイトを用いた本サイトを指定しているD2C(ネット通販)会社があります。
しかしこのような場合、ランディングページの方が相性が良いとされています。もし広告等で本サイトを指定している場合、ランディングページを遷移先に指定しましょう。
関連記事:D2C(ネット通販)のランディングページでコンバージョン率を上げる10個のノウハウ
広告を出稿する
D2C(ネット通販)を成功させる上で、広告を出稿する方法も有効です。しかしただ単に広告を出稿するだけでは見合った成果が得にくく、D2C(ネット通販)に効果的な方法で行う必要があります。
そこで重要な要となるのが、クリエイティブの製作方法です。
従来の広告では、クリエイティブプランを一つの完結された”作品”とみなす傾向が強く、デザイン性や新奇性等が重視されやすい風潮にありました。
アイディアやセンスでキャッチコピーや写真等を考えれば、自ずと反響の高い広告が作れる、という発想です。
しかしD2C(ネット通販)において、必ずしもこうした発想で作られたクリエイティブで必ずしも反響が見込める訳ではありません。
加えてこうしたデザインやセンスありきのクリエイティブ製作では、どうしても水物になりやすく、再現性が低くなり、クリエイターの力量に依存することとなります。
そこでD2C(ネット通販)においておすすめしたいのが、【A/Bテスト】を通して反響の高かった要素を組み合わせて作るクリエイティブです。
一つのクリエイティブプランを分解し、どの[キャッチコピー/写真/デザイン]を組み合わせたら最高の組合せになるかを半永久的に模索する、このような方法を「クリエイティブ最適化®」と呼びます。
クリエイティブ最適化®によって、ネット広告におけるクリエイティブのレスポンス率を飛躍的に高められるでしょう。
このように一番反響の高かった要素を組み合わせることで、よりシンプルに、統計学的に売れる広告クリエイティブを作成することができます。
クリエイティブ最適化®を行うと、一発勝負のようなインパクトや新奇性にはやや劣る場合もあります。しかし”100%確実”にレスポンス率を毎回向上させられる、大きなメリットを有しています。
クリエイティブ最適化®からもわかるように、広告を出稿する前にテスト出稿は必須です。広告予算の10%はテストに活用し、より費用対効果(ROAS)の高い広告出稿が行えるようにしましょう。
関連記事:正しい【A/Bテスト】のやり方とは?基本的なやり方を押さえて効率的に分析
ツーステップマーケティングを行う
D2C(ネット通販)は、ツーステップマーケティングとの相性が非常に高いと言われています。
ツーステップマーケティングとは、いきなり商品購入を訴求するのでなく、まずはモニター商品で見込客を引きつけ、本商品の定期コース(サブスク)申込を訴求するといった、二段階で商品訴求を行うマーケティング手法です。
ツーステップマーケティングでは、潜在層のニーズを強引に顕在化できるメリットがあります。
したがって効率良く見込客に訴求しやすく、実際にCPAが下がりCPO効率の改善がさまざまな企業で見られています。
加えてツーステップマーケティングには、定期(サブスク) 獲得件数やLTVが最大化する効果も見込めます。
通常のようにそのまま商品訴求を行うワンステップマーケティングと比較すると、と比較すると、ツーステップマーケティングは申込みのハードルが下がるため、見込客が多く集まりやすいと言えます。
継続率が高いのは、本商品を購入する前に一度商品を使用しているからこそ、納得した状態で定期コース(サブスク)申込をしていることが理由に挙げられます。
ワンステップマーケティングは、さまざまな規制や外部要因により、なかなか新規顧客獲得が難しくなってきました。
よって、今後はますますツーステップマーケティングの重要性が高まると言えるでしょう。
関連記事:D2C(ネット通販)における「ツーステップマーケティング」について
CRMを行う
D2C(ネット通販)で成功させるには、通常のビジネス同様、CRMを活用することで成果が見込めます。
D2C(ネット通販)においては、顧客の段階・タイミングによって訴求方法を変えてCRMを行うことが効果的です。
よくありがちなのは、CRMを導入していても、単純なメルマガ配信を行い、本サイトにばかり誘導するという失敗活用例があります。
そこで顧客それぞれの段階(レスポンス・引上げ・クロスセル)に合わせた、専用フォローメールと専用ランディングページを制作する方法を採用しましょう。
それぞれの段階に応じたフォローメールとランディングページを用意することで、引上率・クロスセル率の大幅上昇が見込めます。
またインターネットユーザーは、ライフスタイル に合わせて毎日同一時間帯にスマホにアクセスします。したがってフォローメールの配信時間を、初回申込時間に合わせて配信すると、より効果が高いです。
D2C(ネット通販) では、2回目以降の申込みを、会員向けID・PW方式にしている会社が多いのが現状です。しかし消費者からすると、IDやPWは忘れてしまいやすく、IDとPWが要求される時点で申込みする気持ちが失せやすくなり、離反につながりやすいデメリットがあります。
そこでフォローメールからワンクリックで申込みができると、より 引上率・クロスセル率の向上が期待できます。
最近ではメール以外でも、LINEやSMSを用いてフォローメールの仕組みを構築しているD2C(ネット通販)会社も増えてきています。
特に100億円企業ではLINE・SMSの活用が主流となっており、今後ますます導入するD2C(ネット通販)会社が増えるでしょう。
使用ツールが変わっても、「行うべき施策は顧客の段階・タイミングによって訴求方法を変えてCRMを行う」というシンプルな内容です。
最初仕組みを構築するまでやや手間がかかりますが、一度構築すればツールが異なっても応用しやすいため、早いうちに着手することをおすすめします。
まとめ:D2C(ネット通販)と総合通販の違いを理解しよう
D2C(ネット通販)は、総合通販とは異なり、商品数を絞って販売するビジネスモデルです。初期費用のほか、仕入れ方法や集客方法、顧客などに違いがあるため、ポイントをしっかり押さえる必要があります。
また、D2C(ネット通販)サイトを立ち上げる際は、「ランディングページ」の重要性を意識しましょう。サイトのランディングページはネットユーザーの第一印象を左右し、販売者への信頼や商品購入のモチベーションに大きく影響するためです。
D2C(ネット通販)は小規模・低コストなため、個人でも始められるという点が大きな強みです。きちんと利益を得るためにも、プロに任せられる作業は任せて、上手にD2C(ネット通販)事業を始めましょう。
関連記事:D2C(ネット通販)のEC運営代行を利用するメリット|費用例から選び方まで
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