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D2C(ネット通販)のネットショップ開業手続きの流れ
インターネットを介して、どこでも簡単に希望の商品を購入できるのがネットショップです。
商品が手元に届くまでに若干のスパンが空いてしまいますが、
配送先や支払い方法など幅広い選択ができるため、その魅力から年々市場規模は拡大しています。
簡単に購入できるだけに限らず、販売する側の手軽さも魅力の1つと言えます。
販売側は、土地や建物といった実店舗を用意する必要がなく、
インターネット上に設置したウェブサイトを用いて個人で手軽に運営できます。
一般的なD2C(ネット通販)のネットショップ開業手続きの流れは、以下のとおりです。
- 1.開業資金の準備
- 2.資格・届け出の提出
- 3.出店先の選択
- 4.配送方法の決定
- 5.サイト構成の決定
機材やサービスを用意するために資金を準備し、扱う商品によっては資格の取得や届け出の提出を行います。その後、ターゲットとなるお客様に合わせた、出店先、配送方法、サイト構成を行っていきます。次の項で、それぞれ詳しく見ていきましょう。
D2C(ネット通販)のネットショップ開業手続きの準備
ここからは、
D2C(ネット通販)のネットショップ開業手続きの準備を個別に詳しく解説していきます。
開業資金の準備
D2C(ネット通販)のネットショップを開業するためには、
- サイト作り・商品撮影・お客様とのやり取りに必要な機材(パソコン・プリンター、カメラなど)
- ネットサービスの利用料(サーバーのレンタル代金・ドメインの取得費用など)
- 商品の梱包・配送にかかる諸手数料
などが必要です。すべての機材やサービスを新しく購入する場合、
開業だけで数十万円かかることも少なくありません。また、先に仕入れの必要な商品を扱う場合は仕入れの資金も必要です。
資格・届け出の提出
個人事業で年間20万円以上の利益が出た場合、確定申告(青色申告)を提出する必要があります。そのため、個人で
D2C(ネット通販)のネットショップを開業する際は、開業届の提出が必要です。提出期限は実際に活動をはじめてから1ヶ月以内ですが、出していないからといって罰則を受けることはありません。
また、必要となる資格に関してですが、基本的に特定の場合を除いて、
D2C(ネット通販)のネットショップ経営は無資格で始められます。誰でも気軽に始められるのが、
D2C(ネット通販)のネットショップのメリットです。
出店先の選択
D2C(ネット通販)のネットショップの出店先には、
- ショッピングモール(大手なので集客が楽だが商品ページのデザインは制限される)
- オリジナルのECサイト(出店料などがかからずデザインも自由だが、集客もすべて自己責任)
の2種類があります。それぞれのメリット・デメリットがあるため、資金やビジネスの見通しなどを考えてどちらに出店するか決めましょう。
配送方法の決定
D2C(ネット通販)のネットショップの配送方法として一般的なのは、配送料金が安い代わりに小さく軽いものしか発送できないメール便と、ショッピング保険などもかけられて荷物の追跡も可能な代わりに配送料金の高い宅配便のどちらかです。小さな商品でも高額なものであれば宅配便を選ぶなど、商品に合わせて配送方法を決めましょう。
サイト構成の決定
どれだけ魅力的な商品も、サイト構成次第では売れません。まずは商品を購入する層に刺さるコンセプトを決めてから、ページ数や商品紹介ページのデザインなどを決めていきましょう。デザインに自信がない場合、プロに外注したりテンプレートに当てはめたりするのもおすすめです。サイトを作ったら、サイトの運用準備も始めましょう。
販売に許可が必要な商品
- 中古品
- 食品
- 健康食品
- 酒類
- 医薬品
は、販売に許可が必要です。
中古品
リサイクル品や中古品の売買をする場合、最寄りの警察署を通じて都道府県の公安委員会から古物商許可を取得する必要があります。手続きが面倒な場合は、行政書士などの士業に許可申請を代行してもらいましょう。
食品
食品の取り扱いは、「食品衛生責任者」という資格を取得し、さらに最寄りの保健所から食品衛生法に基づく営業許可をもらう必要があります。
健康食品
健康食品を販売する際にも、食品衛生責任者の資格取得者が1人以上必要です。また、健康食品を扱う場合は食品衛生法だけでなく、景品表示法や薬機法(旧薬事法)等の遵守も求められます。医薬品医療機器等法に基づいた営業許可も求められるので、最寄りの保健所や役所内の薬務課などに問い合わせて問題がないか確認を取りましょう。
酒類
アルコール度数が1%を越える酒類を販売するためには、税務署に届け出をしたうえで「一般酒類小売業」という免許を取得する必要があります。ただし、アルコールを使った食品に関しては免許が不要な場合もあるため、事前に確認しましょう。
医薬品
ネットショップに薬剤師や登録販売者資格の保有者がいない場合、医薬品は取り扱いできません。また、医薬品を販売する場合は各種許可の取得が必要なので、最寄りの保健所や薬務課に足を運んで詳細を尋ねましょう。
輸入品の取り扱いで注意することは必要な許可の取得
海外から輸入した商品を販売する場合、種類ごとに許可を取ったり検査を受けたりしたうえで、関税などを納める必要があります。
【種類別】輸入品取り扱いで必要な許可
食料品と動植物または動植物を原料としている商品(衣服など)を扱う際は、国内の食品衛生法や植物防疫法などの遵守が必要です。原料によっては輸入が禁止されている場合もあるため、トラブルを避けるために税関や厚生労働省の検疫所などに問い合わせを行いましょう。
輸入品取り扱い時の注意点
輸入品を取り扱う場合、種類に応じて関税を納める必要があります。また、海外輸入は配送事故や不良品の送付なども頻繁に起こるため、納期の設定やトラブル発生時の解決方法などもマニュアル化しておきましょう。最悪の場合、仕入れの代金を払ったのに商品が届かず、営業できないといった事態もありえます。
ネットショップ開業届の必要性について
ネットショップを運営するなら、最寄りの税務署に開業届を提出しましょう。
開業届とは
開業届は、税務署に対して「自分はこの事業で収入を得ている」と報告するための書類です。開業届を出すと、趣味ではなく「個人事業主」としてネットショップ運営をしていることを証明できるようになります。ちなみに、開業届を出さなくてもとくに罰則はありません。
開業届を提出するメリットは青色申告できること
開業届を提出している人は、「青色申告承認申請書」という書類を一緒に出せば確定申告時に青色申告ができます。青色申告の利用者は、65万円の青色申告特別控除を利用できるため、開業届を出さない=白色申告をする人よりも翌年の税金が安いです。
開業届の記載・提出方法
開業届の提出方法は、
- 年月日
- 住所
- ネットショップ経営を始めること・屋号をつけたい場合は屋号
上記3項目を書いて署名を捺印し、最寄りの税務署へ提出すれば完了です。
開業届に関する注意点は提出期限があること
たとえば、2019年度の収入を2020年に確定申告するためには、2019年の3月15日までに開業届の提出が必要です。ただし、開業してから1ヵ月以内に提出すれば、3月15日を過ぎていても翌年に確定申告を行えます。初年度から節税を考えているなら、ネットショップ開業を決意してからできるだけ早く開業届を提出しましょう。
開業届提出後の確定申告
開業届を提出した場合、原則翌年の2月半ばから3月15日までに確定申告が必要です。売上・経費・各種控除を差し引きした確定申告の結果で所得税や住民税などの納税額が決まるため、開業するなら早めに経理についても準備しておきましょう。
まとめ
D2C(ネット通販)のネットショップは、サラリーマンでも主婦でも誰でも自宅で開業してお金を稼げる手段のひとつです。ただし、販売する商品によっては許可を取得したり、資格を取ったりする必要があるので気をつけましょう。また、
D2C(ネット通販)のネットショップ開業をするなら、開業届と青色申告承認申請書を提出して節税できるようにすることをおすすめします。節税や売上の安定化は、普段からコツコツと進めていくことが大切なので、確定申告時期になってから慌てなくてすむように、
D2C(ネット通販)のネットショップの開業と同じタイミングで各種手続きを実施しましょう。