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D2C(ネット通販)はリピート率が重要?|リピート率の算出方法
「単品リピート通販」と呼ばれることもあるD2C(ネット通販)は、リピート率が成功のカギを握っているといっても過言ではありません。D2C(ネット通販)で成功するためには、既存顧客のリピート率を高めることが重要です。
新規顧客を獲得するためには、広告費やDMなど多くの費用を必要としますが、既存顧客はすでに商品の良さを知った上で自社の商品を購入してくれるため、広告にかかるコストを大幅にカットできます。つまり、新規顧客を獲得するよりもリピーター客を増やすほうが、費用を押さえつつ、売上アップを実現しやすいのです。
総合通販は、基本的に1度きりの「都度販売」で取引が行われます。アパレル関係や日用雑貨などは、買い替えの頻度が少なくリピート率は低いのが特徴です。一方で、継続することで効果が期待できる商品や消費サイクルが短い商品は、商品がなくなれば再度購入する人が多いためリピート率が高くなります。スキンケア商品・化粧品や健康食品などはリピート率が高くなります。そのため、「定期コース(サブスク)」へ導く流れがしっかりできているショップであれば、リピーターの獲得がしやすいといえるでしょう。リピート率は、商品を購入してくれた顧客のうち、次も購入してくれたお客様の割合を示します。リピート率を求めるときは、以下の式で算出することが可能です。
月間リピート率(%)=月間リピート顧客数(人)÷累計顧客数(人)×100
1カ月間に獲得した新規顧客1,000人のうち500人が2回目商品購入をしてくれた場合、計算式に当てはめると月間リピート率は「500人÷1,000人×100」で50%となります。また、2回目購入した500人のうち200人が3回目も購入したとすると、「200人÷1,000人×100」でリピート率は20%です。購入回数とリピート率、さらにお客様の感情やショップの状態を以下の表で確認してみましょう。
購入回数 | リピート率 | お客様の感情 | ショップの状態 |
---|---|---|---|
1回目 | - | 興味・関心 | 新規顧客の獲得 |
2回目 | 50% | メリットの実感 | 初回リピートの壁 |
3回目 | 20% | 満足・継続の意思 | リピーター客の定着 |
リピーター定着までには、3~4回の商品購入を見込む必要があります。初回リピートの壁を乗り越え、お客様の定着を目指すためには、年間購入回数を定め集客アップにつながるアクションを起こすことがポイントです。
目指すべきD2C(ネット通販)の年間購入回数とは
D2C(ネット通販)では、同じ商品を年に6回購入してもらうよりも、月1回ペースで合計12回商品を購入してもらったほうが、売上をコンスタントに伸ばすことができます。年間購入回数をどれくらいに設定したら良いか悩んでいるなら、月に1回ペースで合計12回を目指しましょう。
年間購入回数を12回とするためには、取り扱うサービスや商品ジャンル・商品の内容量にも注目する必要があります。例えば、1カ月程度で使い切ってしまうような内容量の化粧品や健康食品なら、コンスタントな商品購入が見込めます。
さらに、定期コース(サブスク)にすることで購入金額がお得になるなど、お客様にとってメリットが大きいサービスを展開することも年間購入回数を増やす方法の1つです。ただし、情報を集めやすく商品比較がしやすい時代であるからこそ、他商品や同じ商品を取り扱うショップにはない独自性を持った魅力的な要素が必要です。
年間購入回数を増やすためにも、お客様の満足度やリピート率を高めるフォロー体制や役立つ情報配信の流れをしっかり作っておきましょう。
リピート率の上昇に有効な4つの施策
D2C(ネット通販)におけるリピーターの重要性と目指すべき年間購入回数について理解したところで、実際にリピート率をアップさせるために有効なアクションやポイントを押さえましょう。何から取り組んだらいいのか迷っている方は、D2C(ネット通販)を成功に導くために、できることから始めてみましょう。
フォローメール(ステップメール)を配信する
フォローメール(ステップメール)には、「リピート促進」と「休眠状態のお客様に購買意欲」を持ってもらうという2つの目的があります。メールを送るタイミングや目的によって内容も変わるため、テンプレートを利用してお客様の心に届くようなメッセージを心がけましょう。
リピート促進 | 休眠状態のお客様向け |
---|---|
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お礼メールは、商品購入に対する感謝の気持ちを伝え、さらに受注情報に誤りがないか確認する内容となります。商品番号や金額など、できるだけ詳細に記載することがポイントです。また、発送通知や到着確認などのフォローメール(ステップメール)の配信は、お客様にとって「しっかり対応してくれている」という安心感につながります。
商品到着後1~2週間後は、商品の使い心地や効果などリアルな声を聞くことができる絶好のチャンスです。他のお客様がどのように商品を活用しているのか紹介しながら、口コミや感想をレビューに記載してもらえるように促します。
最終商品購入日から間が空いてしまった休眠状態のお客様に対しては、新商品やキャンペーンをお知らせするメールを送ります。キャンペーン終了直前や第2弾のご案内など、随時情報を発信することで、再購入に結びつきやすくなります。
定期的にメルマガ・DMを配信する
マーケティングの基本ともいえるメルマガやDMは、目的を明確にしてお客様のメリットを含む内容にすることがポイントです。メルマガとDMのメリットは、新しいサービスや商品の宣伝ができることだけでなくお客様のアフターフォローができる点にもあります。しかし、実際には宣伝ばかりが先に立って読み手が飽きしてしまうメルマガやDMが多くみられます。
商品の宣伝を行う際には、ターゲット層の年齢やライフスタイルを考えてオススメのアイテムや購入商品の効果的な活用方法を紹介するなど、お客様にとってプラスになる内容を意識しましょう。
また、ターゲットのライフスタイルによってメルマガとDMを配信するタイミングも変わります。メルマガの場合、若者向けであれば夜間、主婦は週明けの日中、会社員なら通勤時間やランチタイムが狙い目です。DMの場合は、新生活を始める人が多い4月、ボーナス前や母の日などのイベント前に配信すると効果的に活用できます。
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定期購入(サブスク)のお客様限定のキャンペーンを実施する
定期コース(サブスク)に特典やサービス提供を加えたり、購入金額やショップ利用頻度に応じたランク制度を実施することでさらなるリピート率を上昇させることができます。定期購入(サブスク)回数が1~2回ならシルバーやレギュラー、3~5回でゴールド、それ以上の購入回数がある場合はプラチナやダイヤモンドのように、定期購入(サブスク)回数に応じてランクが上がっていくシステムを採用しましょう。
ショップで使えるポイントが付与されたり商品購入代金が割引されたり、リピート率が高い優良顧客ほど得られるメリットが大きい仕組みとなっています。ランクごとに割引制度を設けているショップの具体例は、以下の通りです。
ランク | 特典 | 購入金額 |
---|---|---|
レギュラー | 割引なし | 10,000円 |
ゴールド | 5割引 | 9,500円 |
プラチナ | 8割引 | 9,200円 |
購入するほど割引率やポイント率が高くなるため、ランクアップを目指そうとするお客様が増え定期コース(サブスク)への導線確保にもつながります。他にも、お客様が欲しているであろう情報満載の会報誌を送ったり、誕生日が近づいたらクーポンのお届けを行ったり、お得な情報をアナウンスすることも効果的です。
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用して商品をアプローチをする
ショップや商品に興味を持ってもらうなら、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用しない手はありません。DMやネット広告に力を入れるとなればコストがかかってしまいますが、SNSなら無料またはリーズナブルな価格でショップ宣伝やフォローメール(ステップメール)の送信が可能です。とはいえ、一口にSNSといっても特性や利用者の年齢層も異なります。ターゲット層や取り扱う商品に応じて、宣伝効果が見込めるSNSを活用しましょう。
政府データからもわかるように、13~49歳までの年代はSNSの利用頻度が多いのが特徴です。さらに、無料通話機能があるアプリや動画投稿サイトを利用する人も多く、情報の多くをスマートフォンやパソコンなどネットから得ていることがわかります。
また、化粧水・美容液などの化粧品やダイエット商品など、女性や若年層をターゲットにする商品であれば、画像や動画広告のように視覚に呼びかけやすいSNSの利用がオススメです。情報が拡散されることで、新規顧客獲得にもつながります。20~50代のターゲットには、キャンペーンやプレゼント応募もからめたSNSの活用が効果的です。広範囲に広がるターゲットユーザーに商品を知ってもらうきっかけ作りにも役立ちます。
行った施策の効果を検証するためには?
D2C(ネット通販)の利益を増やし成功させるためにも、顧客データの分析管理に力を入れましょう。リピート率の向上や売上アップにつなげるためのメール管理やSNSの活用などの施策が、どのような効果をもたらしたのかを把握することができます。
お客様1人ひとりにマッチしたサービスを提供することを目的に、多くのD2C(ネット通販)ではCRM分析を導入しています。CRMとは、「顧客関係管理」とも呼ばれる顧客情報の蓄積によってニーズに合った商品やサービス提供を目指すビジネスモデルです。
具体的には、購入内容や回数・趣味嗜好・継続率・次回購入見込み・販売担当者など、あらゆる顧客情報を管理してお客様にマッチしたサービス提供を行います。お客様の離脱率や原因・改善策を探ったり、D2C(ネット通販)事業拡大の余地を模索したりといった活用も可能です。
キャンペーンの実施やSNSの利用など、行ってきた施策がプラスに作用することもあれば、思い描いていたような効果が得られないこともあるでしょう。そのようなときには、CRM分析によって問題点をあぶり出し、次につなげるための新たな施策を再度検討する必要があります。
まとめ
通販ビジネスは売上を出すために宣伝広告にコストがかかります。しかし、D2C(ネット通販)はメルマガ・DM・SNSを効果的に活用することで、コストを抑えつつ着実にリピーターを増やすことが可能です。
D2C(ネット通販)を成功させるためにも、CRM分析を活用しお客様の動向やサービス提供の質に目を向けながら、リピート率が高いショップを目指しましょう。