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【2021年】最新のCRM市場規模・業界別動向と人気システム4選

CRM(顧客管理システム)の導入を検討中の企業では、最新の動向をチェックしたいという方も多いでしょう。利便性が高く、業務効率向上や売り上げ拡大に繋がるシステムであれば、多くの企業で導入も進み、受け入れられやすくなります。

今回の記事は、2021年最新のCRM市場規模や今後の動向・見込みについて解説したのち、CRMを導入した企業の事例や、人気のCRMシステムを4つ紹介します。CRMシステムの導入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

2020年最新のCRM市場規模・業界別動向と人気システム4選

目次

【最新版】CRMの市場規模とは?

CRMシステムの導入を検討する企業は増加傾向にありますが、システムの導入にあたり、「CRMの市場規模」は気になる問題です。まずは、CRMの市場規模について紹介します。

実績数値や今後の見込みをチェックすることで、CRMの現状がより明確にイメージできるでしょう。

出典:IDC Japan「国内CRMアプリケーション市場予測を発表

2019年のCRMの市場規模

IDC Japan株式会社が公表した、2019年度のCRMアプリケーションの国内市場規模は約1,742億円です。前年比7.0%の伸びとなっており、非常に成長している市場だと言えるでしょう。

この調査において、IDC Japan株式会社では6つの分野で市場規模を計測しています。

中でも、「デジタルコマースアプリケーション市場」「マーケティングキャンペーン管理アプリケーション市場」の2分野は市場のニーズが特に強く、顧客管理ツールであるCRMの市場規模の伸びをけん引していることがわかります。

2019年における「デジタルコマースアプリケーション市場」は、前年比8.2%の成長率を記録。新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年の同市場は前年比3.3%増になるとの予測が立っています。
一方「マーケティングキャンペーン管理アプリケーション市場」でも、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響によって成長の鈍化が見込まれますが、同市場はクラウドサービスの市場占有率が高いことから、大きな減少はなく前年比5.1%の成長率が予測されています。

2021年以降もCRM市場は成長する見通し

現在、市場の成長が確認されているCRM業界は、2021年以降も成長市場となる見通しです。

IDC Japanの予測によると、2019~2024年までの6年間において、平均5.3%の成長が見込まれています。そして、2024年におけるCRMの市場は約2,250億9,000万円になることが予測されています。

【業界別】CRMを導入した企業事例

ここまで紹介したように、CRM市場はこれまでも成長しているだけでなく、今後も成長が見込めるでしょう。そのため、CRMは積極的に導入するべきと言っても過言ではありません。

では実際に、CRMはどのような形で企業に導入されているのでしょうか。ここからは、「卸売り・小売り業界」「建築・不動産業界」「メーカー・製造業界」の3つの業界におけるCRM導入事例を、わかりやすく紹介します。

卸売・小売業界

卸売・小売業界では、顧客データ管理だけでなく、商品の仕入と販売が発生します。

製品・商品の在庫管理や受発注の管理が一元化できる、CRMツールの活用によってどのように事業を成功させていったのでしょうか。

株式会社アートネイチャー

増毛・育毛サービスで大手の「株式会社アートネイチャー」では、中国での高級商材展開にあわせて、顧客一人ひとりのきめ細やかな情報管理を行うため、CRMを導入しました。

来店状況や購入履歴など、顧客情報をすべてCRMシステムに登録したことにより、中国でも日本と同様のきめ細やかでスピーディーな対応が可能になりました。

アリスタフードソリューションズジャパン株式会社

ベーカリー市場におけるリーディングカンパニーの「アリスタ・フードソリューションズ・ジャパン株式会社」は、世界規模で展開している企業です。売上や顧客の増加・アジア進出とともに、CRMを導入しました。

導入後は、営業の活動履歴や顧客データだけでなくコールセンターの対応や競合他社の情報などをシステム化することができ、営業をはじめとしたすべての業務が効率化されました。

株式会社MACオフィス

「株式会社MACオフィス」は、オフィスの開設や移転に伴う、オフィス内装の設計デザインや設備工事を一貫して担っている企業です。

同社は精度を高めながら営業の効率化を測り、社員のワークライフバランス実現に向けて、CRMツールを導入しました。CRMツールによって進捗状況が”見える化”が実現し、より柔軟・スムーズに営業活動を行えるようになったといいます。

また引き継ぎもスムーズに行え、業務効率化やスケジュール管理がより容易になりました。

建築・不動産業界

建築・不動産業界といえば、マス広告や折込チラシなどを用いた宣伝手法が主流でした。

しかし最近では、顧客一人ひとりのニーズを踏まえた営業活動が重要になっており、CRMツールを導入する企業も増えています。

グレイ建設

グレイ建設は、工場建設を専門とした建設会社です。

グレイ建設では、かつて規模の大きいプロジェクトを一人ひとりが抱えているだけでなく、その一つひとつの案件が長期化する傾向も見られていました。加えて、案件の管理は営業分の一人ひとりに依存していたことにより、会社規模が大きくなるごとに、案件管理が困難になっていました。

グレイ建設は、この課題を解決するためCRMを導入します。導入後、顧客情報や営業プロセスが可視化されるようになり、迅速かつ的確な顧客対応が可能になりました。

株式会社栃木建築社

「株式会社栃木建築社」は、デザイン住宅に強みを持った、栃木県にある工務店です。顧客一人ひとりの要望にあわせ、機能やデザイン性の高い住宅を数多く手がけてきました。

住宅ができたら終わりではなく、生涯にわたって顧客と良好な関係を築くためにCRMツールを導入ました。

顧客情報をデータ上で管理し社内で情報共有が容易に行えるようになったことで、タイムリーなアフターフォローにもつながったといいます。

明和地所株式会社

首都圏を中心に展開するマンション専門ディベロッパーの「明和地所株式会社」は、顧客管理の一元化と営業活動の効率化を目的に、CRMを導入しました。

それまでは担当一人ひとりがエクセルでデータを入力しており、システム化できておらず、管理者がすぐに状況を確認できない状態でした。

CRM導入によって社内で情報共有が行いやすくなり、業務体制の大幅な効率化につながったといいます。

メーカー・製造業界

世界から品質の高さを評価され、日本の産業を支えるメーカー・製造業界。しかし最近では製品の差別化が難しく、技術力や品質の高さだけで売上が伸びるわけではありません。

そんな競争が激化するメーカー・製造業界でビジネスを加速させるために、CRMツールを活用し営業力を強めていきましょう。

三菱ふそうトラック・バス株式会社

三菱ふそうトラック・バス株式会社は、各拠点・各営業担当者が個別で行っていた案件管理を統一するため、CRMを導入しました。

その結果、行動管理と商談管理が実現できただけではなく、見込み顧客への効率的なアプローチも可能になりました。

日世株式会社

ソフトクリームメーカーである日世株式会社は、属人的だった営業職の業務をシステム化すべく、CRMを導入しました。

最初から全社的に導入するわけではなく、まずは営業部のみCRMを導入し、営業部のデータを全社で共有できるようになりました。

ローランド ディー.ジー.株式会社

コンピューター周辺機器メーカーである「ローランド ディー.ジー.株式会社」は、大型カラープリンターなど、広告・看板用インクジェットプリンタに強みをもつ企業です。

同社は営業活動の効率化のためにCRMを導入しました。マッピング機能を使った顧客管理などにより、顧客訪問以外での作業時間が大幅に削減でき、営業活動の効率化が実現しました。

CRMを導入する5つのポイント

CRMを活用し成果を上げるには、導入する際にいくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

導入の目的を明確にする

CRMを導入するには、あらかじめその目的を明確にしておくことが大切です。

CRMは主に顧客管理を行うツールですが、顧客満足度の向上や営業活動の効率化など、さまざまな用途で活用されます。

せっかくCRMを導入しても、活用する社員が導入の目的を知らない場合、ツールの有効活用はしにくいものです。

また現状のルールや業務フローを踏襲しようとするあまり、有効活用できないという事態にならないよう、CRM導入に伴い、業務フローを一度見直すのも得策です。

目的は複合的に絡み合っている場合もありますが、目的に優先順位をつけ社内で共有することで、効率的なCRM活用が実現できるでしょう。

社内で導入体制を確立する

CRMを導入する際は、社内であらかじめ導入体制を確立しましょう。

CRM導入でよくある失敗例として、社内の体制が不十分なまま導入したことで、活用できていないケースがあります。

もし高い金額を払ってCRMを導入しても、それを社内で活用できる土俵が整っていなければ意味がありません。

CRMを効果的に活用するには、部門間の垣根を超えて、社内で共通の認識を持っておくことが重要です。

ある部門にはプラスでも、他の部門から捉えるとマイナスという場合も少なくありません。

全ての部門がプラスに働くのが理想ですが、少なくとも各部門からの合意は得なければなりません。

効果的にCRMを活用するためにも、プロジェクトチームを発足するなど、CRMが円滑に活用できる環境を整えましょう。

導入するデータを準備する

CRM上でデータを一元化して管理するために、大元となるデータを準備します。

CRMに導入したい顧客データを明確にするために、データの所在や利用可能であるかを確認します。もしデータが十分にない場合は、データを集めることから始める必要があります。

データ集約や移行が必要な場合は、他部門と連携し適切なデータ収集を行いましょう。

自社に最適なCRMを検討する

CRMはツールによって、機能や料金・アフターサポートなどに差があります。CRMを導入する目的や費用対効果(ROAS)を勘案し、自社に最適なCRMを検討しましょう。

CRMは一度導入すると長期間使用が前提となり、投入コストもそれなりにかかることからも、複数社のCRMを試した上で納得したものを選ぶのがおすすめです。

またトライアル期間が設けられているCRMもあります。実際に試した上で導入を検討すると、より自社に適したCRMが導入できる可能性が高まるでしょう。

CRM導入後のフォローがあるか

CRMは導入してからの活用が鍵となるため、サポートの充実度も大切なポイントです。

特に大きなシステムの場合は、システムやITリテラシーの差から、現場で混乱が生じることも想定されます。ベンダーのサポート体制についても事前に確認しておきましょう。

CRMを導入しても、運用を各個人に委ねていては、効果的な運用は難しいでしょう。ベンダーサポートはもちろんのこと、社内でもCRMのフォローを行う窓口を設置する必要があります。

もし不明点か改善ポイントがあっても、社内フォロー体制が整っていないと、CRM導入の効果が見込めないばかりでなく、元の状態に戻る恐れもあります。

またCRM導入して時間が経つにつれ、各部門・事業所ごとに運用に差が出るケースもあります。

入力頻度やデータなどを定期的に確認し、上手く運用を進めている部門を参考に、定着方法を各部門に共有するのも効果的です。

人気のCRMシステムおすすめ4選

ここまで、CRMの市場規模と今後の動向や、実際にCRMシステムを導入した企業の事例を紹介しました。CRMの導入は「業務の効率化」という部分のみに効果があるのではなく、業務を効率化することによるメリットも感じられることがわかります。

最後に、人気のCRMシステムを4つ紹介します。
CRMは、クラウドサービスとしての導入が主流となっています。実際の現場で利用されているCRMの特徴や料金をチェックしながら、ぜひ自社に適したCRMシステムを選んでみてください。

ナレッジスイート株式会社「Knowledge Suite」

公式サイト:Knowledge Suite

ナレッジスイート株式会社が提供する「Knowledge Suite」は、CRMツール、営業支援ツール(SFA)、グループウェアツールなど、ビジネスに必要な基本機能がすべて搭載されたCRMです。

不必要な機能はカスタマイズによって省くこともできるなどの使い勝手の良さから、大企業だけではなく中小企業にも多く導入されています。

容量課金制を取っているため、必要な時に必要な分だけ利用するといった利用方法も可能です。

Knowledge Suiteの料金
グループウエア:6,000円~/月(超過1GBあたり2,000円/月)
SFAスタンダード:50,000円~/月
SFAプロフェッショナル:80,000円~/月

※容量を追加すると1GBあたり8,750円の追加料金がかかります。

出典:Knowledge Suite「料金」

株式会社セールスフォース・ドットコム「Salesforce Sales Cloud」

公式サイト:Salesforce Sales Cloud

株式会社セールスフォース・ドットコムが提供する「Salesforce Sales Cloud」は、導入者数15万社以上という実績を誇っている、世界的にも最も多い導入実績のあるCRMです。

  • AIを活用して、見込み顧客をスコアリング
  • 情報の一括管理
  • スピーディーな意思決定を実現

これらの特徴を活かすことにより、導入企業は平均25%の売上アップを実現しています。

また、株式会社セールスフォース・ドットコムでは、顧客ごとに専任のサポートがついており、運用に関するさまざまなアドバイスを受けることが可能です。

Salesforce Sales Cloudの料金
Essential:1ユーザーあたり3,000円/月
Professional:1ユーザーあたり9,000円/月
Enterprise:1ユーザーあたり18,000円/月
Unlimited:1ユーザーあたり36,000円/月

出典:salesforce「Sales Cloudの料金」

ソフトブレーン株式会社「eセールスマネージャーRemix Cloud」

公式サイト:eセールスマネージャーRemix Cloud

ソフトブレーン株式会社が提要する「eセールスマネージャーRemix Cloud」は、国内メーカーならではの日本企業にマッチしたCRMです。

少ない手間で利用できる点が重視されており、スマートフォンでの使い勝手の良さには特に定評があります。定着支援の専門チームが導入支援や運用のサポートを施しており、定着率は95%を誇ります。

eセールスマネージャーRemix Cloudの料金
スタンダード:1ユーザーあたり11,000円~/月
ナレッジシェア(閲覧のみ):1ユーザーあたり6,000円~/月
スケジュールシェア(グループウェアのみ):1ユーザーあたり3,000円~/月

出典:eセールスマネージャーRemix Cloud「価格・利用形態」

株式会社プラスアルファ・コンサルティング「カスタマーリングス」

公式サイト:カスタマーリングス

株式会社プラスアルファ・コンサルティングが開発した「カスタマーリングス」は、顧客行動(CX)の見える化や、データ統合・分析などができるCRMです。

数値だけでは発掘できないアイディア着想も支援しています。約550社への導入実績があり、担当コンサルタントによるサポートが充実しているのが特徴です。

カスタマーリングスの料金
導入規模などにより初期費用や設定支援費用、月額費用が変動。

※詳細は個別の問い合わせが必要

まとめ:CRMの市場規模は今後も拡大予測

ここまで、CRM市場の規模や業界の動向、さらにCRMの導入事例からおすすめのCRMシステムまで紹介しました。

近年、CRM市場は非常に高い伸びを示しており、今後も少なくとも2023年までは平均5%程度の伸びが見込まれていることがわかりました。特に、マーケティングやカスタマーセンターの用途は市場をけん引しており、さまざまな業種で幅広く使用されています。

CRMシステムの導入を検討しているのであれば、まずは実際の導入事例や人気のあるCRMの特徴を確認・比較し、導入のメリットや選定基準などを把握しましょう。当記事を参考に、ぜひ自社に適したCRMシステムを導入してください。